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RP マンチーニ アルトリコーダーソナタ 第5番【楽譜】

メーカー:リコーダーJPJAN:4571325247181ISBN:9784862666635A4 厚さ0.3cm 16ページ収 録 曲: 1曲曲名アーティスト作曲/作詞/編曲/訳詞アルトリコーダーソナタ 第5番 作曲:マンチーニ★

冊子 ・スコア冊子(曲目解説、アルトリコーダー運指表つき) 16ページ ・別冊リコーダーパート譜 8ページ ★

付属CD 内容  (1)各楽章の伴奏  (2)伴奏にリコーダー演奏を合わせた演奏例  (3)各楽章につき(1)と異なるテンポによる伴奏をいくつか収録  (4)上級者向け「バロックピッチ(A=415Hz)」による伴奏   ※チェンバロ伴奏演奏はすべて石田誠司(デジタルサンプリング音源使用) ★

収録曲の難易度(指回り難度)  第1楽章 C2  第2楽章 B2  第3楽章 C2  第4楽章 B2  第5楽章 C2ソナタ 第5番 ニ長調★

解題★

 マンチーニの「リコーダー(またはヴァイオリン)と通奏低音のための12のソナタ」は1724年にロンドンで出版されました。

スカルラッティの下で働きながらも作曲家としてもっとも充実した時期に書かれた作品とあって、まんまんたる意欲がみなぎり、内容的に充実した、すばらしい作品集となっています。

 リコーダーのための多数のバロックソナタの中にあっても、激しい転調を駆使して濃厚な情緒をかもし変幻自在の表情を見せるマンチーニのソナタは、欠かすことのできない大切なものだといえるでしょう。

解説★

 5つの楽章から成り、ニ長調(#が2つ)であるために指づかいが難しい箇所もありますが、緩徐な楽章の叙情的な魅力、快速なフーガ楽章の爽快感、そして軽妙な終曲まで、スキのない出来栄えで、マンチーニの12曲のソナタ中でも屈指の名品だと言えましょう。

 第1楽章はアレグロ(快活に)と指定された8分の3拍子の楽曲で、音階的な動きを中心としつつ、リズム感に工夫があって、2拍子系(16分の6拍子)の感じになる箇所をたくみに織り交ぜた、面白い音楽になっています。

属和音で軽く終わりますので、間を置かずに第2楽章に入るのでしょう。

 第2楽章はラルゴ(広びろと)、4分の4拍子です。

次々に転調していきながら語り進めるのはマンチーニによくあるつくりで、それがときには強引な感じを与えることもあるのですが、この曲では非常に成功していると思います。

後半のゼクエンツも美しく、心に染みる楽章です。

なお、この1・2楽章を一体の音楽と考えて、全体を4楽章ととらえる考え方も有力です。

 第3楽章は再びアレグロで、2分の2拍子のフーガふうの楽章です。

力強くリズミカルでたいへんイキのいいテーマを扱い、途中に挟まれるエピソードは対照的にやわらかな表情を持っています。

終結部は、たたみかけるようなスピード感を持っていますが、「終わりかな?」と思うと何度も念押しがあるのはマンチーニらしいところ。

 第4楽章は再びラルゴ、4分の4拍子。

こんどは第2楽章と違ってニ長調の平行調・ロ短調で始まります。

晴朗だった音楽から一転して、全体に沈痛なおもむき。

しかし最後は少し明るんで、ニ長調の属和音(イ長調の主和音ともみることができますが)で半終止となり、すぐに第5楽章に続きます。

 第5楽章は、第1楽章と同じくアレグロの8分の3拍子ですが、ノリはまるで違い、これはシンプルなリズム感の、踊るような終曲になっています。

しかし、型通りの舞曲にありがちな4小節・8小節単位の楽節を積み重ねる音楽ではなく、随所に工夫の凝らされた内容のある楽曲になっています。

F. マンチーニ〜〜ナポリ楽派の俊英〜〜★

アレッサンドロ・スカルラッティの好敵手★

 フレンチェスコ・マンチーニ(1672年〜1737年)は、ナポリに生まれナポリに没した作曲家です。

当地で重きをなしていたアレッサンドロ・スカルラッティの地位(宮廷礼拝堂楽長)を虎視眈々と狙っていたようで、スカルラッティがローマに移った留守中に頭角をあらわしました。

しかしのちにスカルラッティがナポリに戻ると、再びその下で働かざるを得ませんでした。

スカルラッティの死後は後任として活躍したとはいえ、結果的にはつねに先輩・スカルラッティの後塵を拝さざるを得なかったマンチーニ。

スカルラッティがそれだけ偉大だったということでしょうか。

 多数のいろいろな宗教曲のほか、29曲のオペラ、7曲のセレナータ、12曲のオラトリオ、200曲を越す世俗カンタータを残しました。

器楽曲はあまりたくさん書かなかったようです。

しかしその中に12曲のリコーダーソナタ(1724年)と24曲の室内協奏曲(リコーダーと2つのヴァイオリンと通奏低音という編成 1725年)が含まれており、いずれもよく演奏されるレパートリーになっています。

急減な転調の多い劇的なスタイル★

 マンチーニらが属した「ナポリ楽派」の曲は、予期せぬような転調の多い劇的な表現に特徴があるとされ、マンチーニのソナタにもそういう傾向がみられます。

しかし、それだけではなくて、旋律性がゆたかで規模も大きな堂々たる作風です。

 

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